ここ数年は食中毒対策の啓発・普及が進み、大型の食中毒事故は減少傾向にあるが、カビなどによる汚染や残留農薬の規制値オーバー、異物混入、アレルゲン、賞味期限表示の誤記など製品回収は後を絶たない。近年増加している事故は危害の重篤性こそ低いが、一度事故を起こしてしまうと、消費者からの信頼をそこね、企業のイメージダウンや取引の縮小を余儀なくされたりと、企業活動にとって大きなダメージにつながる。事後対応によっては企業存続も危うくなりかねない。
昨今は直接消費者に危害を与える食中毒、アレルゲン、化学物質だけでなく、異物、異臭でも製品回収にまで発展することはなく、一度問題を起こしてしまったときの企業リスクは大きい。特に昨年は原発事故の放射能汚染問題が食の安全を脅かす新たな懸念となり、放射能検査も安全対策として考えねばならなくなった。食品製造業が実際に対応しなければならない衛生・安全対策は、際限なく広がっているというのが実情だ。こうした中、食品工場の衛生管理に貢献する検査機器・キットや衛生管理資材・サービスなども性能・内容の拡充が進んでいる。
<衛生管理・事故防止に対応する製品・技術を提供する主な企業>
1.危害物資の迅速検査/機器・キット
(1)簡易・迅速微生物検査キット・機器
①スタンプ・プレート・フィルム型簡易培地
・JNC
・日水製薬
②ふき取り検査キット
・ニッタ
③食中毒菌検出キット・資材
(2)カビ毒の検査キット
・日水製薬
(3)アレルゲンの簡易検出キット
・日水製薬
(4)ATPふき取りキット
・ニッタ
2.モニタリング機器
①温度モニタリング
②水分活性モニタリング
③残留塩素計