乳や大豆などのたん白質は主に品質改良目的で利用されるほか、食品のたん白強化に用いられている。特に近年は栄養目的での利用が堅調に推移している。米国のトレンドを反映してか、“筋肉量の維持・増加”によるロコモ対策、ウエイトコントロールを行うためのたん白源としての注目度が増しており、新たな市場形成へ向けて積極的な提案が行われている。一方、ペプチド素材については、低アレルゲンや血圧対応、中性脂肪対応など機能面を活かした利用と発酵促進のための培地として利用され、ここ最近大きな動きはなく、安定した市場を形成している。本稿では、各種たん白・ペプチド素材の最新動向を原料事情やサプライヤーの開発状況を中心にまとめた。
●たん白素材の市場動向
●ますます高まるたん白摂取の重要性
―最近の啓蒙活動
業界団体として米国酪農産業の国際的な市場開発を推進するアメリカ乳製品輸出協会(USDEC)
―製品の発売状況
<サプライヤーの最新動向>
●主な乳たん白サプライヤー
・安定供給力と製品開発力を武器に国内トップシェアを持つフォンテラジャパン
・日成共益 は、グランビア・ニュートリショナルズ社製のWPC・WPI、MPCを販売
・独自のテクニカルソリューションを活かした高栄養・高機能を付与した高付加価値品を得意とするアーラフーズイングレディエンツ
・タツア・ジャパン は、乳たん白・ペプチド、無水乳脂肪、乳フレーバー等を専業で製造
●主な卵白サプライヤー
・加工卵のトップサプライヤーであるキユーピータマゴ は、様々な加工卵白をラインアップ
●主な植物性たん白サプライヤー
・デュポン ソレイ事業部では、大豆たん白のグローバルリーダーである米国ソレイ社製の各種大豆たん白を販売
・不二製油 は、IPハンドリング大豆を原料にした各種大豆たん白原料を販売
・小麦たん白のトップシェアを誇るグリコ栄養食品
・サンブライト は、独ヤッカリン社の活性小麦グルテン「WEIPRO(ウイプロ)」を販売
●主な乳ペプチドサプライヤー
・フォンテラジャパン は、「WPH817」と「NZMP7050」を販売
・「ActiNos(アクチノス)」を提案する日成共益
・アーラフーズイングレディエンツ は、チーズホエイを原料とした「LacprodanDI-3065」を中心に展開
・タツア・ジャパン は、世界的需要の高まりを受け生産キャパを1.5倍以上に増設
・雪印メグミルク は、平均分子量400Daの「ホエイペプチドHW-3」を販売
・ CBCとサンブライト は、仏・イングリディア社「ラクティウム」を抗ストレス、睡眠の質改善素材として提案
●主な大豆ペプチドサプライヤー
・大豆ペプチド市場を牽引する不二製油
タツア・ジャパン は、大豆ぺプトン「HSP」シリーズを販売
●主な卵ペプチドサプライヤー
・キユーピー は、卵白ペプチドの最新データ発表―運動による疲労蓄積抑制作用
・太陽化学 は、卵白ペプチドと卵黄ペプチドを「サニープロ」シリーズとして展開