扶桑化学工業は、三井化学が手がけてきた有機酸設備を譲り受け、同社鹿島事業所として11月1日より製造を開始した。製造品目は承継した無水マレイン酸とフマル酸で、公称年産能力はそれぞれ32,000トン、15,000トン。19年7月の完成を目途に、年産15,000トン規模のリンゴ酸製造設備の新設工事にも着手する。
同社は14年7月に三井化学との間で有機酸事業承継の事業譲渡契約を締結。同年10月1日付で営業権を譲り受け、三井化学鹿島工場が製造する無水マレイン酸とフマル酸の販売を行ってきた。同社の鹿島事務所開設をもって、製販一体の体制が整ったことになる。
リンゴ酸の製造は、同事業所内隣接地に新設備を導入して、無水マレイン酸からの一貫生産を行う計画。有機酸を軸にした果実酸コンビナートを構築し、コスト競争力の抜本的強化を図るとしている。設備完成後も当面は、これまでリンゴ酸を製造してきた大阪工場と2拠点で供給していく予定。