一般社団法人日本電解水協会主催による第9回電解水セミナーが11月28日に都内で開催され、定員150人を超える参加があった。
協会代表理事の川田勝大氏は、冒頭あいさつで、今年のトピックスとして次亜塩素酸水(電解水)が有機栽培資材として農水省より3月に指定されたことを報告。10月には次亜塩酸水生成装置のJIS規格が制定されたことも報告され、1987年に強酸性電解水生成装置が誕生して30周年という節目を迎え、医療、食品、農業分野への普及拡大にさらに尽力していきたいと話した。
セミナーでは9人の演者が登壇。日本食品衛生協会HACCP普及指導員の金盛幹昌氏は次亜塩素酸水のHACCPへの応用と効果について、同協会・食品顧問の田中秀幸氏はHACCPの現状と今後について講演するなど、来年に迫ったHACCP制度化における次亜塩素酸水のプレゼンス向上と可能性にフォーカスを当てた。
今年10月の次亜塩素酸水生成装置のJIS制定については、同協会顧問の両角久氏より申請の経緯が報告された。JIS化のポイントは、装置の性能と安全性、生成水の性能と安全性、電極の性能と安全性。「JISは製品の性能と安全性に関しての規格基準で、食品添加物や消毒資材として認可されることではない」と付け加えている。JIS適用範囲は、電気分解の技術を用いて食品添加物の指定を受けた“次亜塩素酸水”を含む、次亜塩素酸を含有する水を生成する装置とし、有効塩素濃度は10mg/Kg~100mg/Kg、pH2.2~8.6、殺菌性能は大腸菌、ブドウ球菌6log以上としている。
次亜塩素酸水は2014年に特定農薬としての認可も受けており、同協会・農業委員長の石渡幸則氏を筆頭に注力している農場HACCPおよびGAP認証と次亜塩素酸水の有効活用の研究報告も行われた。