フラウスは、独自の新型培養装置を用いてフコキサンチンを含む微細藻類の大量培養に成功、抽出・精製技術を駆使した高純度フコキサンチンの本格供給に乗り出す。
製品はフコキサンチンを90%以上含む赤色粉末品で、培養、抽出、製品化まで同社草加工場内で一貫生産。培養システムの効率化などランニングコストの大幅低減を実現し、1g 20万円で販売する。医薬・化粧品・食品領域で研究が進むなか、フコキサンチンの利用拡大を図るべく安定供給していく意向だ。
同社が開発した新型培養装置“MOMO.”は、20年にわたり屋外・屋内の大量培養を実施してきた経験とノウハウにより完成した連続式クローズド培養システム。密閉されたタンク内において、培養液の濃度を高濃度に維持しつつ海洋性藻類を24時間体制で連続培養し、フコキサンチンの生成に必要な人工光を3次元で照射するなど工夫を施した。高純度フコキサンチンは、培養した原料を高濃度化した後、乾燥、抽出、粉末化の工程を経て生産。異物混入や付着沈殿の問題もクリアしている。
同社では、現在草加工場内に設置されている装置5機に加え、来年を目途に国内で新たに50機を設置し、生産体制を10倍に強化していく計画。フコキサンチン含量5%程度の低濃度品も手がける意向だ。現在、各種毒性試験や臨床試験などを実施しており、有用性の高い素材として幅広く販売していく。
このほか、工場などで排出されるCO₂削減や希少物質生産の副産物として排出される藻類バイオマスを活用した、バイオ燃料の生産なども計画しており、実用化に向けた取り組みを推進している。