――ここでは雑誌に掲載した内容の一部を紹介いたします。
連載 技術シリーズ 2 分離・精製による素材開発・製品改良
活性炭の活用による食品素材改善やオフフレーバー除去の提案
大阪ガスケミカル㈱ 活性炭事業部 第一営業部 機能材チーム 主席部員 柳 寿一
1.活性炭とは
活性炭について書かれた成書には、活性炭の歴史として、古代エジプト時代の医薬品としての利用に続いて、18世紀頃からの砂糖の脱色について紹介されている。活性炭は、今でこそ、浄水場での水の浄化や、下水・し尿処理場での脱臭などによって暮らし、環境を守る資材として大量に使用されているが、歴史をさかのぼれば、医薬品として、食品製造用副資材として重要な役割を果たしてきたということもできる。
活性炭は吸着材といわれる。吸着とは、液相と固相、あるいは気相と固相の界面における物質の濃度が、いずれの相の内部よりも高くなっている現象を指す用語である。ある物質Aが水に溶けているとして、活性炭を入れたときに、活性炭の表面近くだけ物質Aの濃度が高くなっていれば、「吸着が起きている」というのである。
吸着は活性炭と溶解している、あるいは気体中に漂っている物質との間の引き合うチカラによってひとりでに起きる現象であり、この現象の主役をなすのが活性炭である。
ところで、活性炭とは何だろうか?活性炭とは、炭素質の原料を賦活することによって得られた多孔質の固体であり、次のような特徴を有している。
①表面が疎水性(水をはじく性質)であり、特に水に溶けた有機物をよく吸着する。
② 活 性 炭の細 孔の大きさは0.5〜30nm(nm:ナノメートル、1mの10億分の1)であり分子の大きさと同じくらいであり、さまざまな分子を強く吸着することができる。
③炭素でできているので熱や化学薬品(酸、アルカリ、有機溶媒)に安定である。
―以下、続きは月刊『食品と開発』2月号にてご覧ください。
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