食品の製造工程において、温度情報は微生物制御と品質管理の観点から見逃せないモニタリング項目である。さらに昨今問題視されることの多い食の安全性を確保する上で導入が進むトレーサビリティシステムにおいても、物流工程や保管場所などにおける温度計測とその記録が重要なウエイトを占めている。 各現場事情にあった機器が求められるようになり、機器メーカーの対応も多様化の一途を辿る一方で、温度測定値の正確さや信憑性、キャリブレーションの信頼性なども問われ始めている。加えて無人および遠隔での温度管理やデータ収集ニーズも高まっており、インフラが急速に進んでいるIT活用を前提としたデータロガー、温度コレクター、ソフトウェアの開発も進んでいる。本稿では、各社の温度計の開発状況と温度管理におけるIT活用の現状を見ていく。
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