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植物性たん白素材が拡大―IFT 米国食品素材見本市

7/16~18に米国シカゴでIFT食品素材見本市が開催された。出展品目は食品素材や添加物。出展社数は約1,200社(見込み)、入場者数は約23,000人とみられている。

今年の展示会では植物プロテインが館内を席巻し、大豆やえんどうはもちろん、様々なタイプの植物性プロテインが各社から紹介されていた。その一方、ホエイなど乳たん白の提案も多く、巻き返しが図られていた。グルテンフリーやクリーンラベル提案も相変わらず多い。

 

●植物性タンパク素材が席巻
米国でプロテインブームが起こり、ここ数年はプロテインのなかでも植物性プロテインへの注目が年を追うごとに拡大している。大豆とえんどうは植物性タンパク素材の中心として、多くの企業がラインアップ。そのほか、米、小麦、ヘンプ、アーモンド、パンプキン、そら豆、ひよこ豆、ゴマ、アマランサスなど多様なタンパク素材が紹介されていた。

●クリーンラベル:天然素材を有効活用
クリーンラベルに有益な素材を各社がラインアップ。カーギルやケリーなど大手だけでなく、中小企業や新規出展企業まで、活発な提案がなされていた。
Florida Food Productsでは、セロリ粉末「Veg Stable®」を畜肉市品に提案。セロリ粉末には硝酸塩が含まれているため、添加物の代わりに使うことができる。また、Basic American Foodsでは、ポテトパウダーを使った日持ち向上を提案。ナチュラル素材を活用することで、クリーンラベルに対応する。

●腸内環境への関心
プロバイオティクスは、デュポンやクリスチャンハンセンなど大手でも展開しているが、展示会場では市場の賑わいに反して、それほど見かけなかった。
森永乳業では、ビフィズス菌B536、B-3などをメインに紹介するとともに、日本で多くの加工食品に配合されているシールド乳酸菌を、「LAC-Shield™」という名前で提案を開始した。6月末にself-affirmed GRASを取得したばかりで、免疫に関する素材として米国市場に展開していく。

●甘味料―ステビアと羅漢果の増加
甘味料は、ここ数年のナチュラルスイートナーのトレンドを反映してステビアと羅漢果の取り扱いが増えた。羅漢果はとくに中国企業からの紹介が多い。
3年ほど前に、松谷化学工業、Tate & Lyle、CJが新素材として紹介していたアルロース(日本ではプシコースとも)は、取扱企業が増加し、Samyang(韓国)とSM Ingredients(中国)も展示していた。松谷化学工業は「ASTRAEA」(アストレア)というブランド名を前面にしたブースで出展。香川県からの糖であることもアピール。

●抹茶人気で中国企業が進出
抹茶は世界中で人気フレーバーとして定着した。今回、日本企業の関係では、あいや、葵製茶、杉本製茶、池田製茶の4社が抹茶を紹介。ただし、抹茶を紹介しているのは日本関連企業だけでなく、江蘇鑫品茶業有限公司、Auropure LifeScienceなど複数の中国企業が「Matcha」として展示。日本企業の関係者に話を聞いたところ、現在、抹茶には確たる定義が存在しないため、中国企業が販売しても問題にならないらしい。中国では国が積極的に抹茶製造を推奨しているとも。このままでは安価な中国抹茶に世界市場を席捲されかねない。抹茶は日本製でなければ、という声もあるとはいえ、価格と量での苦戦は目に見える。抹茶展示ブースには多くの来場者が興味深く立ち寄っていた。何とかしなければならない問題だろう。

次回のIFT19は2019年6月3日~5日 ニューオリンズで開催される。その後、2020年から10年間はシカゴでの開催が予定されている。

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