今までカナダから輸入・販売できる生鮮チェリーはランバート種1種類だけであったが、このたび、種類を拡大して輸入できる手続きが終わり、拡大第1弾として「スタッカート種」の輸入販売が開始された。
スタッカート種チェリーの特長
・甘い
・粒が大きく、食べごたえがある
・8月から9月上旬という他のチェリーの出回っていない時期にも食べられる
・カナダでは人気の品種
今年輸入されたのはブリティッシュコロンビア(BC)州・ジェラスフルーツ社のチェリーで、8月中旬にはイオンやナチュラル麻布で試験的に販売され、かなり好評を得た。
カナダの西海岸に位置するBC州は、昼夜の寒暖差が大きく、清涼な水が豊富にあり、フルーツ育成に適した土壌を持つなど環境に恵まれ、甘くて大きなチェリーが育成できる。BC州ではカナダ全体の90%以上のチェリーが生産されており、カナダ全土で販売されるだけでなく、海外20カ国・地域に輸出を行っている。
ジェラスフルーツ社は1903年から生産・営業している企業で、1シーズンに4,500トンものチェリーを産出している。チェリーの品質管理には温度管理が欠かせず、温度を低く保つ必要があるため、全てのチェリーが気温の上がらない早朝から手摘みで収穫される。洗浄水も冷水を用いて温度を上げないようにしている。摘果から2時間以内に処理を終え、空港まで温度管理の行き届いたチェリー専用トラックで運ばれ、そこから日本に向けて出荷される。
また、ジェラスフルーツ社ではチェリーのトレーサビリティ体制を構築しており、全てのチェリーをQRコードで管理し、どこの畑で誰がいつ収穫したかを克明に記録している。1粒のチェリーを8面から撮影し、サイズ、丸さ、やわらかさ、熟度をチェックできる選別機を導入し、品質をチェック。チェリーの大きさなどユーザーの求める製品を揃えることもできる。
カナダではチェリー栽培地の拡大を行いながら、今後もさらに安全・安心・高品質なチェリーを日本向けに輸出強化していく方針で、カナダのプレミアム製品と位置付けて日本市場での積極的な拡販を進めていく意向。来年は7月上旬から生産出荷が可能だが、特に他のチェリーが出回らない8~9月の販売に向けて取り組んでいく。また、今後日本市場がどのような種類のチェリーを求めているかを考えながら、第2弾以降の品種の輸入も検討していくという。