11月27~29日、ドイツのフランクフルトで、Hi Europe 2018が開催された。Hi Europe(HiE)は2年に一度開催される機能性素材・健康素材の展示会で、世界の主要素材メーカーのほとんどが出展している。
●注目されるFiber
今回、最も頻繁に目にしたのが「Fiber(ファイバー、食物繊維)」という言葉。Fiberは、整腸効果やダイエット効果、ナチュラル原料などを連想するようで、ヨーロッパでは大変注目を集めており、コスクラ社のイヌリンをはじめ多数の企業がFiberと絡めた製品を展開していた。
世界のマーケティング調査会社のMintel社によると、今年、米国でFDAがエビデンスをもとにした“Dietary Fiber”の定義とガイダンスを示したことにより、その影響で「自社のFiberはエビデンスに基づいた本物のFiberである」というような提示をする企業が増え、Fiberブームがきているのではないかということだった。Mintel社は今年のFiberの伸びは20%を超えると予想していた。
●スポーツニュートリションの多角的な提案
出展製品では米国同様にスポーツニュートリション関連の素材が多かった。アスタキサンチン、プロテインをはじめ、コラーゲンもスポーツニュートリションとして取り上げられていた。コラーゲンの人気は高く、ルスロなど欧州企業のほか中国系の企業の出展もあり、スポーツ後の関節の回復などが提案されていた。また、スポーツニュートリションの中でも、アスリート向け、ベジタリアン向け、高齢者向けなど対象別の訴求があり、プロテイン素材としても、ホエイ、大豆、エンドウ、ライス、カボチャなどが展示されていた。
そのほか、オメガ3などの脳機能関連の素材や免疫関連、プロバイオティクス、ステビアやラカンカ、ソーマチンなど砂糖代替品、ベリー系素材、ウコン、ジンジャー、チアなどのスーパーシード関連素材が多く、ヘンプオイルやCBDオイルは出展社数が増えてきているようだ。
●増える出展企業と来場者
今回の出展社数は520社(公式発表ではない)、来場者数は約10,000人(同)と、どちらも前回開催(2016年)よりも増加しました(前回は480社、8677人)。47か国から出展があり、EU以外の出展社は246社、うち中国が半数以上(157社)を占めた。日本からは4社、ハナマルキ、日本生物.科学研究所、金秀バイオ、森下仁丹が出展した(現地法人としては、あいや、協和発酵バイオ、太陽化学)。パビリオンは、各国のパビリオンに加え、オーガニックパビリオン、オメガ3パビリオン、初出展社パビリオン、「~フリー」を強調したフリーパビリオンなどが設置されていた。
次回は、2020年12月1~3日にドイツ・フランクフルトで開催の予定。