(一社)日本食品添加物協会は10日、東京都千代田区の如水会館で平成31年賀詞交歓会を開催した。会場には関係省庁や協会会員など約400名が参集し、協会の方針などが紹介された。
同協会の木村毅会長は冒頭の挨拶で「科学的知見に基づく考え方の定着」「グローバル化の対応」「会員の皆様への的確なサポート」の3点に重点を置いて活動している旨を紹介。その前段として、週刊誌等の添加物を題材にしたネガティブ報道や海外のクリーンラベル、オーガニックなど「安全そう、健康に良さそう」といったイメージ先行の潮流に触れ、科学的な考え方が劣勢になっている現状を危惧している旨を述べた。
「科学的知見に基づく考え方の定着」に関しては、食品表示に関わる消費者庁の調査で、食品添加物の使用目的等の理解度が回答者の半分以下(「知らない」が64.2%)となったことにも触れ、一般の人々や学校関係者、報道関係者への食品添加物の有用性・安全性に対する啓発活動を展開していく意気込みを語った。特に、「無添加表示・不使用表示」については、消費者への理解を図るべく、関係団体や行政も含め、改善を強く訴えていくとの決意を述べた。
「グローバル化への対応」については、海外機関など関係する団体とのネットワークを強化し、コーデックスでの影響力を高めること、海外規制に関する情報収集を継続して行い、発信していく旨、「会員の皆様への的確なサポート」については改正食品衛生法に基づくHACCP制度化を踏まえ「HACCP導入型食添GMP」の普及やサポートを行っていくことを述べた。
来賓代表挨拶では、厚生労働省医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全審議官の宮嵜雅則氏、消費者庁審議官の橋本次郎氏、食品安全委員会事務局長の川島俊郎氏が登壇し、各省庁の取組みを紹介。食安委ではリスクコミュニケーションの一環として、来年度から中学校の指導用教材の開発を進めていく計画を紹介した。