太陽化学と奈良女子大学は、モリンガ種子抽出物の抗疲労効果について検証し、その内容を3月に開催された日本農芸化学会2019年度大会において発表した。
モリンガにはグルコシノレート類が多く含まれ、それが多彩な生理作用に関与していると報告されていることから、同社らはモリンガ種子に豊富に含まれるグルコシノレート類、グルコモリンギン(GMG)に注目し、抗疲労効果を検証した。
GMGからモリンギン(イソチオシアネート体)を調製し、モリンギンを用いて培養細胞にて試験した。その結果、持久力の向上に繋がると報告のあるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)β/δを活性化させることが分かった。
※グルコシノレート類は腸内細菌の働きによってイソチオシアネートへ変換することが報告されており、モリンガ種子抽出物に含まれるGMGは体内で活性化体であるモリンギンに変換されると考えられる。
動物試験では、GMG含有モリンガ種子抽出物をマウスに4週間連続摂取させた。その後、マウスの遊泳力をみたところ、対照群と比較して、モリンガ種子抽出物2.0mg/kg投与群において遊泳時間の増加傾向がみられ、100mg/kg投与群で有意な増加を確認した。
以上のことから身体的疲労の軽減や回復に対してモリンガ種子抽出物が有用である可能性が示唆されました。現在、動物組織中でのPPAR活性化への影響を検討中で、今後はヒトでの有効性も検討していく予定。