小川香料では、「ウィンターセイボリーエキス」を使ったハーブドリンクが機能性表示食品に受理されたことを契機に、ウィンターセイボリーエキスの積極拡販に乗り出している。
ウィンターセイボリーは南欧原産のシソ科植物。欧州では肉料理、豆料理の香味づけに用いられるハーブで、日本でも香辛料として使われている。
機能性表示食品として受理されたハーブドリンク(届出番号D238)は、機能性関与成分が「ウィンターセイボリー由来カルバクロール、ウィンターセイボリー由来チモール」。表示する機能性は「本品には、ウィンターセイボリー由来カルバクロール、ウィンターセイボリー由来チモールが含まれています。ウィンターセイボリー由来カルバクロール、ウィンターセイボリー由来チモールは、肌寒く手足の体表温が徐々に低下していく環境下において、体(末梢)をあたたかく保つ機能があることが報告されています。」となる。「体(末梢)をあたたかく保つ」と強調表示が可能で、分かりやすい。
ウィンターセイボリーに関する特許も2件取得している。一つは末梢部での皮膚温と血流の改善効果。もう一つがエキスの製法特許で、ウィンターセイボリーの特徴を活かしつつ、不快な風味を選択的に除去して香味・呈味を改善する技術。
同社ではSRの根拠となった試験をはじめ、「ウィンターセイボリーエキス」の冷え・血流改善についてのデータを揃えている。冷房室内を想定した手指温度の測定試験では、1時間経過後、プラセボ比で同品摂取群には有意な体表温の差がみられた。同様に足指での試験においても有意差をもった体表温の変化を確認している。いずれも体感スコアでも有意差が出ている。
サーモグラフィーを用いて冷え性の人の足先の温度変化をみた試験では、摂取10分後には4.5℃の上昇、摂取20分後には5.4℃の上昇という結果を得ており、「ウィンターセイボリーエキス」には即効性があることを確認した。冷水試験では、手指温度の回復と共に、血流量変化の測定により血流量の上昇も確かめられた。
同社では、飲料メーカーや乳業メーカーなどに機能性表示食品に対応した素材として紹介している。原料は冷凍エキスでの供給。クレームが分かりやすく、体感が得られるデータが揃っていることが注目されている。情報提供を含め、ユーザーの希望する製品化に対してサポートできる体制を整えている。