旭化成は、結晶セルロースおよびアルファー化澱粉の全製品について、9月1日の出荷分からキロ当たり60円の値上げを実施する。物流費やユーティリティ費用を筆頭とする販売諸経費や製造、品質の確保に関わるコスト負担増など総合的なコスト上昇分について、現状の価格で吸収することが困難と判断した。同製品の価格改定は8年振り。
今回、価格改定となる製品は、「セオラス®」および「セルフィア®」ブランドの結晶セルロース全製品と、アルファー化澱粉「PCS®」および「SWELSTAR®」ブランドの全製品。食品の安定剤等に利用されるコロイダルグレードの「セオラス®」製品も対象となる。総合的なコスト上昇の局面は、当面継続することが予想され、安全・安心な製品を安定供給するための製造設備の維持・更新についても多額の投資が必要と判断、値上げに踏み切ることとなった。
結晶セルロースは、繊維性植物からパルプとして得たα-セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したもの。機能・品質に優れ、独自の粉体技術を駆使した結晶セルロース「セオラス®」、「セルフィア®」は医薬品、食品、工業、化粧品など幅広く利用されている。