新コスモス電機は、食品オーブン内のガス濃度を長期安定して検知する「食品オーブン用ガス警報器」を開発した。10月1日から販売を開始する。
製パン・製菓といった食品業界で用いられるトンネルオーブンは、可燃性ガスを用いてバーナーで燃焼しているため、万一のガス漏れを検知するために吸引式のガス警報器を設置し、オーブン内のガス濃度を常時監視している。
しかし、オーブン内は高温高湿度環境であるため、ガス吸引の配管途中で温度が下がり、結露が発生する場合がある。そこで、一般的なオーブン内のガス検知では通常、吸引時の高温高湿ガスをオートドレンまでのサンプリング配管内で結露させ、排水用のオートドレンでドレン(結露)排出する仕組みを取っている。
しかし、オーブン内とオートドレンとの温度差が足りず、オートドレンを超えてサンプリング配管内で結露したドレンがセンサ部に浸入してしまった場合、センサ故障の原因となる。さらに、このドレンは配管などの腐食の原因にもなる。
また、オートドレンは水封式であるため、この水封の管理を怠ると水封機能を保てなくなり外気が混入してしまう。このため規定のオーブン内ガス濃度で警報しないなどの危険があった。
「食品オーブン用ガス警報器 PAN-2000」は、同社独自の検知技術により、結露を発生させずにオーブン内のガス濃度を検知する。オーブン内の高温高湿ガスを、炉内へ挿入した配管内で外気と混合希釈させ、ガスの湿度を下げることで配管内結露の発生を大幅に低減させる。
により、配管などの腐食を防止できるほか、センサ故障を大幅に減少することができる。さらに、配管やフィルタの目詰まりによる吸引流量の低下も少なくなる。水封の管理やフィルタ交換などの管理の手間も低減するため、ランニングコストのカットにもつながる。
今後同社では製パン工場、製菓工場などを中心に食品業界へ販売を展開していく。