ツルヤ化成工業は、食添グレードのアジピン酸を拡充し、近くサンプルワークを開始する。
自社で品質保証した小分け商品を在庫販売するほか、山梨県韮崎市の本社工場で再精製した国内製造品にも着手する予定。甘味料事業で培った長年のノウハウや販路をもとに、様々な角度から顧客ニーズに合った提案ができる強みを活かし、市場開拓していく。
同社は、自社ブランドで甘味料製剤を幅広く展開しており、漬物や水産加工品をはじめ、飲料・菓子類など加工食品分野で強みを有する。有機酸類では、クエン酸類や酢酸ナトリウムなどで販売実績を有するほか、押し出し造粒加工を施した有機酸類(クエン酸・酒石酸)や重曹なども手がけ、添加物・素材の高付加価値化を図っている。
今回のアジピン酸は顧客ニーズに対応すべく、有機酸製品のラインアップを強化するもの。粒度サイズを分級した標準タイプのほか、自社工場でクリーニングを行う再精製品も品揃えする。
アジピン酸は、弱酸性域での静菌効果に対する評価から、酢酸やエタノールなどとの組み合わせによる日持ち向上製剤向けなどで安定した需要をもつ有機酸。特定のpH領域では、酢酸より強い静菌性を示す場合もあり、キムチなどの漬物類やカット野菜向けなどに定評がある。長年食添グレードのアジピン酸を国内製造してきた旭化成が、昨年販売を中止しており、代替となる食品向けのアジピン酸の供給がクローズアップされていた。