オリザ油化の「アグアヘエキス」は、女性ホルモン様作用が確認されたことで女性向け素材として展開していたが、このたび新たに男性の前立腺肥大抑制作用を確認したことで、男性向け素材としての可能性も出てきた。
アグアヘ(Maurutia flexuosa)はペルー、ブラジルなど南米のアマゾン川流域で栽培されているヤシ科の植物。現地ではその果実を菓子やジュース、氷菓に加工し、嗜好品として親しまれている。同社は、女性ホルモン様作用を訴求した素材「アグアヘエキス」を2018年に上市している。アグアヘエキスにマイルドな女性ホルモン様作用があることを解明し、臨床試験において、不定愁訴の改善やバストアップ効果を明らかにしていることもあり、女性向け素材として積極的に紹介していた。
今回、前立腺肥大モデルマウスを使った試験において、前立腺重量の減少を確認した。さらに、前立腺炎症マーカーである前立腺特異的抗原(PSA)の遺伝子発現量も減少していることがアグアヘエキスによる前立腺肥大抑制作用を確証づける結果となった。また、その活性成分としてメトキシフラバン化合物の寄与、作用機序は5α-レダクターゼ阻害作用であることを明らかにした。
なお、男性ホルモン受容体(AR)のタンパク発現量には影響を与えないことも確認しているため、テストステロンによる作用(筋肉・骨量の増加作用)は損なわれず、前立腺肥大抑制作用を主作用とする効果であることが示唆されている。この結果は特許申請中とのこと。
今回の試験で前立腺肥大抑制作用が確認されたことで、アグアヘエキスは男性向け製品としてもおすすめできる素材となった。同社では過活動膀胱抑制作用を持つ「シーベリーエキス」も揃えており、両素材とも頻尿対策処方としてPRしていく。