三菱商事ライフサイエンスは、ファーマフーズと共同でGABA(γ-アミノ酪酸)のヒト認知機能に関する臨床試験を実施し、その有効性を確認した。GABAを摂取した群の被験者は、GABAを摂取しなかった群(プラセボ群)に対して有意に認知機能の維持・改善がみられた、としている。
臨床試験は認知機能の衰えを感じる40歳以上の健常者120名を対象に、GABAを毎日100mg または200mgを3カ月間摂取してもらい、CognitraxおよびRBANSという認知機能検査テストを用いて評価した。その結果、GABAを摂取した群の被験者は、GABAを摂取しなかった群(プラセボ群)に対して有意に認知機能が維持・改善された。特に「記憶力」および「空間認知力」は100mg の摂取で維持・改善がみられ(下図)、200mg のGABAを摂取すると「記憶力」、「空間認知力」に加えて、「論理的思考力」、「作業記憶力」、「持続的注意力」も維持・改善された。さらに、認知機能とともに「活力」や「心の健康」が改善されることも明らかとなっている。
なお、本研究成果は論文として2020年3月発行の「薬理と治療」誌に掲載されている。この論文掲載を機に、国内外の食品・サプリメントメーカーにおけるGABAの採用を目指していく考え。また、GABAの認知機能維持・改善効果に関する特許を出願中である。
<発表論文>
Yamatsu A., Nakamura U., Saddam HM., Horie N., Kaneko T., Kim M. Intake of 200 mg/day of γ-Aminobutyric Acid(GABA) Improves a Wide Range of Cognitive Functions – A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Parallelgroup Clinical Trial– 薬理と治療 48, 3, 461-474 (2020)
http://www.pieronline.jp/content/article/0386-3603/48030/461
Yamatsu A., Nakamura U., Saddam HM., Horie N., Kaneko T., Kim M. Improvement of Memory and Spatial Cognitive Function by Continuous Ingestion of 100 mg/day of γ-Aminobutyric Acid (GABA) – A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Parallel-group Clinical Trial– 薬理と治療, 48, 3, 475-486 (2020)
http://www.pieronline.jp/content/article/0386-3603/48030/475