三菱ケミカルフーズはクエン酸第一鉄ナトリウム「サンフェロール」(鉄含量10〜11%)を販売している。酸性からアルカリ性の広い領域で安定的に溶け、吸収性がヘム鉄と同等という吸収性の高さが特徴。添加した際の反応性が低く、溶解性に優れ、応用範囲の広い色調などの使い勝手の良さも評価され利用が拡がっている。
食品に栄養機能を付加した商品形態の増加に伴い、新規採用も増えている。サプリメントでは鉄吸収性の高さが評価され、大手企業での新規採用もあった。マルチビタミン・ミネラル配合飲料にも採用されている。今後は、鉄味をよりマスキングできるアプリケーションを拡充し、同社が得意とする飲料を中心に展開を進める。
なお、同品はGRAS物質として登録されており、米国FCC(Food Chemical Codex)にも収載されている。中国ではGB14880(栄養強化剤)用途でも登録が完了し、今後は中国への輸出のための準備を進め、今年度中の輸出開始を目指している。
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