オリザ油化では、オリザセラミド®に含まれる「β-シトステロールグルコシド(BSG)」におけるセラミド合成作用に関する特許を取得したと発表した。「オリザセラミド®」は、米由来セラミドのパイオニアである同社が1999年に上市した製品で、最近では機能性表示食品に対応した素材として注目されている。
本特許は、オリザセラミド®に含まれるBSGにセラミドの合成力を高める作用を有することを技術的特徴としたもの。BSGは米由来セラミドや他の植物由来セラミドの一部に含まれるステロール配糖体であるが、これまで薬理研究がほとんどなされていなかった。
研究では、ヒト表皮三次元培養モデルを用いて、培地にBSGを1μg/mLおよび10μg/mL添加して培養した。その後、回収した組織から抽出した遺伝子を用いて定量PCRによるセラミド合成関連遺伝子の発現を調べたところ、セラミドが合成される際に働く酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPLC2)とグルコシルセラミドシンターゼ(GCS)の遺伝子の発現が促進されていたことから、BSGがセラミドの合成能力を高める作用を有することが確認された。
今回の研究により、オリザセラミド®にはグルコシルセラミドと新規成分であるBSGにより相乗的なセラミド合成効果があることが明らかとなった。グルコシルセラミドにより表皮にグルコシルセラミドが補給され、BSGにより角質層のセラミド合成を高めるという作用が期待できる。同社では今後、BSGを含有する他の製品の開発も積極的に行っていくという。