農林水産省 食糧産業局は、6月26日に「令和元年度 食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果」を公表した。調査を実施したのは本年1月14日~2月28日(状況の時点は昨年10月1日現在)。調査対象は「食料品製造業」及び「飲料・たばこ・飼料製造業(製氷業、たばこ製造業及び飼料・有機質肥料製造業を除く)」を営む事業者。
■導入済み+導入途中が4割
HACCPを「導入済み」と答えた事業者は22.5%で、「導入途中」を加えると40.5%となった。また、「導入を検討している」は21.0%、「導入未定」は18.9%であり、「HACCPに沿った衛生管理をよく知らない」事業者は19.7%であった。
■事業規模により導入状況に大きな開き
導入状況は規模別で大きな開きがあり、売上規模が100億円以上の事業者では9割が「導入済み」であるのに対し、売上規模が小さくなるほど割合は下がり、売上規模5,000万から1億円未満及び5,000万円未満の事業者では1割程度となっている。
■HACCP導入による効果
導入(済み+途中+検討)と回答した事業者にHACCP導入による効果を聞いたところ、「品質・安全性の向上」が85.7%と最も多く、次いで「従業員の意識の向上」(73.1%)、「企業の信用度やイメージの向上」(55.2%)、「クレームの減少」(45.4%)となった。
■問題点は費用や手間
導入(済み+途中+検討)と回答した事業者に、HACCP導入にあたっての問題点を聞いたところ、「施設・設備の整備に係る資金」が43.0%と最も多く、次いで「HACCP導入手続きの手間(金銭以外の手間)」(37.0%)、「従業員に研修を受けさせる時間的余裕がない」(32.4%)であった。また、導入未定の事業者に未定の理由を聞いたところ、「施設・設備の整備に係る資金」(62.3%)が最も多く、次いで、「HACCP導入までに係る費用(コンサルタントや認証手数料など金銭的問題)」(47.0%)、「HACCP導入後に係るモニタリングや記録管理コスト(金銭的問題)」(35.4%)であった。
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