太陽化学は、大妻女子大学家政学部食物学科 川口美喜子教授と同社による研究グループが、グアーガム分解物(Partially Hydrolyzed Guar Gum:以下PHGG)の摂取によりアスリートの下痢と関連する症状が和らぎ、ビフィズス菌が増加するなど腸内細菌叢が改善することを明らかにしたと発表した。
過度な運動は腸管バリア機能や免疫などにダメージを与える可能性が示唆されており、30~60%のアスリートがおなかの不調を有すると報告されている。本試験は、アスリートのコンディション維持にPHGG が役立つことが期待される結果となった。
■試験概要
健康なアスリート53名(主にサッカー選手)を対象に、ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施。PHGGを6g/日、4週間摂取してもらい、おなかの症状についてアンケート調査を実施した。また、選抜した被験者の腸内細菌叢を調べた。
■試験結果
プラセボ食品を摂取していた時の値と比較してPHGG摂取時は
・下痢や急激な便意などの症状が改善
・有用菌であるBifidobacterium(ビフィズス菌)比率が有意に上昇し、有害菌であるClostridium XI 比率が有意に低下するなど、腸内細菌叢に良い変化が見られた
本研究成果は学術雑誌「Journal of Functional Foods」 (2020 年9 月号)に掲載された。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464620302917?via%3Dihub
論文題名:Lifestyle related changes with partially hydrolyzed guar gum dietary fiber in healthy athlete individuals – A randomized, double-blind, crossover,placebo-controlled gut microbiome clinical study
論文著者:Mahendra P. Kapoor, Masaaki Koido, Mikiko Kawaguchi, Derek Timm, Makoto Ozeki, Mari Yamada, Takayuki Mitsuya, Tsutomu Okubo