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米国でブームのCBD、日本でも原料紹介が活発化

CBD(カンナビジオール)は麻に含まれる100種類以上のカンナビノイドの一つで、産業用ヘンプの成熟した茎と種子から抽出して得られる。日本の大麻取締法ではヘンプの穂(花)、葉、根の使用は禁止されているが、成熟した茎と種子は合法とされており、これらを使ったCBD原料・製品が流通している。ただし、抽出物中に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は依存性が強く高揚感を引き起こすなどの理由で麻薬物質として指定されていることから、日本での販売はTHC非検出の確認が大前提となる。

CBDの機能として知られているのは、人間の身体調節機能であるエンドカンナビノイドシステム(ECS)の働きを正常化する作用。ECSは、食欲、免疫調整、感情抑制、運動機能、新規保護、発達と老化、認知度と記憶など、様々な機能と関係していると考えられており、体内で減少したカンナビノイドを外部から補うことで、調子を整える。体感を得られやすいことも大きな特徴。米国では2年ほど前から急に人気が出て、現在も米国を中心に欧州にも広がりつつある。日本では認知度がまだ高くなく製品流通量も少ないが、新たな健康素材としての期待度は高い。

食品と開発9月号では、CBDの取り扱い企業を紹介しています。以下に、そのうちの1社の製品を紹介します。

●スイス産原料の供給と自社ブランド品を展開
DropStoneでは、欧州最大手のCBDメーカーであるスイス・ピュア社製のCBD原料を取り扱っている。スイス国認定ヘンプ種を原料に、種から抽出まで、研究開発から分析まで一貫体制を敷くなど、品質管理を徹底している。

原料は、粉末の「CBD 99.6% アイソレート」と、固形状の「CBD ブロードスペクトラム」を供給している。ブロードスペクトラムにはCBDのほかCBGやCBDVなどのカンナビノイド類が含まれているため相乗効果が期待できる。固形状なので粉末にしたりオイルに溶解して使う。どちらも500gから販売している。

スイスにおいてメーカーおよび第三者機関で定量分析を行ってTHCが含まれていないことを確認し、輸入後には定性分析でTHC非検出を確認している。食品として輸入しており、異物検査や残留農薬検査も行っている。

睡眠やストレス向けの健康食品で採用されることが多く、供給量を増やしている。体感性の高さがリピートに繋がっているという。自社ブランド品「Greeus」も展開しており、プロテイン製品とソフトカプセル、美容液(セラム)を揃えている。国内加工で安心感を訴求し、製品中のCBD含量も確かめている。とくにプロテイン製品の売れ行きが良く、増産体制を敷いている。ソフトカプセルのベースオイルにはカナダ産の有機ヘンプシードオイルを使用。同社では今後、ヘンプのイメージ向上も考えつつブランド展開し、検査を重ねて安全性を徹底していく方針。

※食品と開発9月号では、CBDやNMNなど新しい機能性素材を紹介しています。
9月号の内容は⇒ https://www.kenko-media.com/food_devlp/archives/4499
ご興味のある方は是非ご購読ください
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