バイオジェニックは、3種の麹菌を用いて9種の穀物を独自発酵させた穀物発酵食品「寿穀麹®」に、腸管の自然免疫能を高める可能性があることを細胞試験で確認した。
寿穀麹®は、それぞれ性質の異なる白麹・黒麹・黄麹3種の麹菌を別々に製麹して使用し、厳選した9種の穀物(白米、大麦、赤米、玄米、粟、キビ、黒米、タカキビ、ヒエ)を独自ブレンドして発酵させ、乾燥・粉砕した粉末素材。たん白質分解酵素の酸性プロテアーゼや、でん粉分解酵素のアミラーゼなどが活性状態のまま製品化されている。
消化に負担のかかる乳たん白質(カゼイン)の分解、アミノ酸としての吸収促進に関する試験データは、査読付き論文に掲載されており、栄養素の効率的な消化・吸収をサポートする健康食品素材として販路を築いている。
寿穀麹®の免疫賦活効果は、マクロファージ系細胞に寿穀麹®を段階的に希釈した培養液を添加して24時間培養後、NO産生の指標となる亜硝酸濃度を測定(グリース反応)し、マクロファージ活性化能を評価した。その結果、培養液の希釈濃度が100および1000μg/mLの区において、対照区に比べ有意に高い亜硝酸濃度を示した。これにより、寿穀麹®にはNO産生に基づくマクロファージ活性化能が認められた、としている。
先の試験において、乳酸菌やビフィズス菌など腸内善玉菌の増殖促進効果も確認されており、今後、腸管免疫との関わりを検証していく考え。ヒト試験なども視野に入れ免疫賦活に関する研究開発を進めていく。