旭化成は13日、岡山県倉敷市の水島製造所内に結晶セルロース「セオラス®」の第2工場を建設することを明らかにした。投資金額は約130億円で、顧客ニーズに対応するため、大幅な生産能力増強が必要と判断した。今年9月に着工し、23年春の竣工を目指す。
同社は医薬品等で主に錠剤の賦形剤として用いられる結晶セルロース「セオラス®」を宮崎県延岡市において1970 年より製造しており、国内外の製薬会社や健康食品製造会社向けに販売してきた。主用途である医薬品錠剤向け需要は今後も国内外で堅調に推移すると予想しており、顧客からも原料調達リスクを軽減する目的で、生産拠点複数化による安定供給力の向上が望まれていた。
第2工場では結晶セルロース100%タイプを生産する予定。とりわけ独自の高機能グレードである成形性に特化した「KG グレード」、成形性と流動性を両立させた「UF グレード」は国内外で高く評価されており、飲みやすい錠剤の設計、錠剤の小型化、複数薬物の合剤化、錠剤生産性の向上等の効果を発現するなどメリットも大きい。同社は、さらに機能を高めた製品や健食向けのグレードも市場投入し、幅広く提案していく考え。