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流通業者の添加物表示の在り方をヒアリング――第3回食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会

消費者庁は、7月21日に「第3回 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」をオンラインにて開催した。食品添加物等の「無添加」「不使用」表示に関してのガイドライン策定のための会議で、今回は、ガイドラインの内容の参考にすべく流通企業の取り組み状況を聞くとともに、令和2年度食品表示に関する消費者意向調査報告書の中の、食品添加物の不使用表示関連についての結果を改めて確認した。

セブン-イレブン・ジャパンは、無添加や不使用の訴求はすでにやめており、表示も原則行わない方針。食品における無添加・不使用表示アイテム数は2019年比で約20%に減少している。ただし、ワイン、辛子明太子・たらこについては無添加表示が公正競争規約・業界基準に明記されていることから、今後はガイドラインの中で解決策を探っていこうと考えている。また、消費者からの添加物に対する問い合わせについて、消費者と企業の間にある情報格差が課題であり、理解を深めるためにホームページやSNSなどを使って積極的な情報発信を行うようになった。

イオントップバリュで収集している消費者の声のうち食品添加物についてみてみると、食品添加物がパッケージのどこにどのように表示されているかわからない、着色料で害はないのかなど「添加物=マイナスイメージ」前提での質問が多い。添加物を使わない商品を販売して欲しいという要望も多く、「無添加、不使用を書いて欲しい」と要望する消費者は原材料の一括表示ではなく特徴として記載している表示を頼りにしていると考えられる。

さらに、添加物についてわからない状況のなか、テレビや雑誌の情報から不安が助長されているケースもみられる。同社では消費者が知りたいと考える「わかりやすい表示」のため、原材料表示欄で原材料名と添加物をスラッシュで分けるのではなく、原材料名とは別に添加物項目を設けて分けて表示するよう取り組んでいる。専用アプリやホームページで商品に関する情報も提供している。

次に、令和2年度食品表示に関する消費者意向調査報告書から、食品添加物の不使用表示関連の内容を抜粋して紹介し、日本添加物協会から意見が披露された。調査では、○○不使用・無添加の表示がある食品を購入する人の半数近くが一括表示欄を確認しないと回答している。これは、食品添加物表示ではなく不使用表示で購入を判断しているためで、不使用表示があることにより食品添加物表示の活用が妨げられていると考えられ、食品添加物に対する正しい理解をしたうえで商品を選択するべきであるとの見解が示された。

なお、ワインや辛子明太子など公正競争規約で定められているものについては、他業態のガイドラインとの比較も行うべきで、見直しについて今後の検討も視野に入れる必要があるとの意見もあったが、見直すにしても時間はかかりそうだ。

次回以降は、実際に流通している製品を確かめながら議論を進めていく。第4回の検討会は9月下旬を予定し、非公開で行われる。

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