フルッタフルッタは11月16日にオンラインで行ったメディア ラウンドセミナーにおいて、アサイーに関する機能研究の状況や今後の事業戦略について紹介した。
アサイーはポリフェノールや鉄分、ビタミン、食物繊維、オメガ3など栄養素を豊富に含むヤシの実で、アマゾンを代表するフルーツ。2002年に日本に紹介され、2014年頃にブームを迎えた。ブームが去った後も続けて利用する人は多く、特にアスリートにはアサイーを好む人が多かった。アサイーを摂取することでスポーツパフォーマンスが向上したという声が寄せられたことから、アサイーの何が要因であるかを探るべく、研究を開始した。
■2つのアサイー研究
1)トロント大学との共同研究
細胞試験において、新型コロナウイルス起因のNLRP3誘発性炎症(サイトカインストーム)を抑制する効果を確認。これにはアサイーの持つ抗炎症作用、抗酸化作用が関連していると考えられている。この機能に関しては、脳神経系疾患、血管疾患、関節リウマチなど、NLRP3インフラマソームの機能異常を伴う疾患への効果が期待でき、今後長期的に検証していく。
2)造血機能性の追加研究
アサイーを摂取することで貧血が改善したという声が多く、鉄分補給というだけでなくアサイーには何らかの貧血改善メカニズムがあるだろうと考えた。貧血改善には鉄分だけでなく、いかに赤血球を増やすかが大切になる。アサイーの摂取により腎臓からの造血ホルモン(エリスロポエチン)の分泌が増え、そのエリスロポエチンが骨髄に赤血球を産生するよう働きかけて、赤血球が多く作られることで貧血改善となる、という機能が判明した。今後はメカニズム解明のために臨床試験や関与成分に関する追加研究をしていく。
■成長戦略と今後の目標-アサイーリバイバルプロジェクト
今までの研究成果をもとに、2014年のブームを上回る300億円市場にしたいと考えている。
・アサイーの機能性である造血効果によるQOL向上を軸に、需要喚起を図る。貧血に悩む人への啓発や情報提供を通して需要喚起をしていく。将来的には機能性表示も目指していきたい。
・中食需要や外食のデリバリー需要が高まったことから、アサイーボウルのミールキット開発を進めていく。
・アグロフォレストリーアライアンス 二酸化炭素オフセット型原料ビジネスを広げていくチャンスと捉え、継続して取り組んでいく。
※株式会社フルッタフルッタ
「自然と共に生きる」を理念としたサスティナブル志向の企業で、アサイーなどアマゾンの恵みを日本の消費者に届けている。現地のサプライヤーである「トメアス総合農業協同組合CAMTA」は、90年前に農業移民としてブラジルに渡った日本人が作った農協。彼らの行う「アグロフォレストリー」(森を作る農業)という農法は、アマゾンの荒廃した土地に多様な作物や樹木を植えて森のように育てていく方法で、持続的農法として世界的に注目されている。