カーギルジャパンは今月下旬をめどに、アジア地域で製造したエリスリトール「カーギルエリスリトール」の販売を開始する。低カロリー、砂糖低減に取り組む米国・中国などでエリスリトール需要が急増し、砂糖税を導入する国々での需要増が予想されるなか、米国・カーギル本社では効率の良いサプライチェーンにより、安定した供給体制を確立するとの方針を決定。これまで世界各国で展開してきた「Zerose™」ブランドのエリスリトール製品を北米を中心としたエリアでの販売に集約し、アジア地域向けには中国拠点を活用したエリスリトール供給の体制づくりを進めており、日本市場においても新ブランドを順次導入していくこととなった。
国内販売する「カーギルエリスリトール」は、カーギル独自の品質を確保し、国内で品質チェックすることで、既存の日本仕様に合致した製品となる。「Zerose™」ブランドの製品同様、スタンダートグラニュータイプや微粉タイプを用意し、確かな品質や安定供給を念頭に置き販売を進めていく、としている。
エリスリトールは、果実やキノコのほか、ワイン・清酒・醤油・味噌などの発酵食品に含まれている糖質で、砂糖の約75%の甘みを有する糖アルコール。工業的にはぶどう糖を原料として酵母を用いた発酵により生産される。国内ではエネルギー値が0kcal/gと認められている糖質で、冷涼感のある爽やかな甘味を有することから、ゼリーやヨーグルト、チューインガム、タブレット菓子、卓上甘味料、飲料など幅広い分野で利用されている。
ソーダ税など減糖政策に取組む米国では、低カロリー商品の開発や販促キャンペーンが活発化し、アイスクリームのほか、飲料や乳製品などで好調な動き。中国では新興メーカーの0カロリー飲料の大ヒットを契機に、現地で追随する動きもあって世界的にエリスリトール需要が高まっており、国内外のブランドメーカー、サプライヤーサイドでも数量確保などの対応が急務となっていた。