丸善製薬は機能性素材に関する最近の研究成果として、ヒハツ抽出物とピペリン類のむくみ改善作用においてリンパ管新生を促進するメカニズムを解明、さらにスマート乳酸菌のアレルギー反応を抑制するメカニズムを解明したと発表した。
■ヒハツ抽出物およびヒハツ由来ピペリン
ヒハツ抽出物と含有成分の1つであるピペリンの有効性について鹿児島大学大学院医歯学総合研究科と共同研究を行ったところ、ヒハツ抽出物及びピペリンがリンパ機能の低下に起因するむくみを低減する可能性が示唆される結果を得た。
メカニズムは、ヒハツ抽出物及びピペリンはAKT及びERK依存的な作用機序によりリンパ管新生を促進することが示唆された。本研究結果は査読付き論文誌「Journal of Food Biochemistry」に掲載された。
同社はこれまでにヒハツ抽出物の摂取が女性の脚のむくみを改善することを報告しているほか、ヒハツ抽出物及びピペリン類のTie2(タイツー)活性化作用に関する研究を推進してきた。Tie2の活性化により血管やリンパ管の働きがスムーズになり、健康面や美容面で役立つことが報告されている。
※Tie2とは、血管やリンパ管の内皮細胞と壁細胞を結びつける働きをする受容体
■スマート乳酸菌
独自開発した乳酸菌「Lactiplantibacillus plantarum 22A-3」(以下LP22A3、販売名「スマート乳酸菌」)について、神戸大学大学院農学研究科及び名城大学大学院農学研究科と共同研究を実施。
その結果、LP22A3はアレルギー症状におけるOX40Lの発現抑制を介してIL-4などのTh2関連サイトカインの産生を低下させることでIgE産生を抑制し、アレルギー反応を減弱させる効果を持つことが示唆された。本研究結果は査読付き論文誌「Food Bioscience」に掲載された。
LP22A3は、これまでの研究において、 抗アレルギー効果を持つことが確認されている。本研究で得られた知見を基に「スマート乳酸菌」の更なる基礎、応用研究を進めていく。