オリザ油化では、新たな血糖値対応素材「マウンテンキャビアエキス」を今秋開催される「食品開発展」(10/12~14、東京ビッグサイト西ホール)で発表する。
マウンテンキャビアとは「とんぶり」(ホウキギの成熟果実の加工品)のことで、秋田県大館市の特産品として知られている。プチプチとした食感や見た目がキャビアに似ていることから、海外では「畑のキャビア」とも呼ばれている。
マウンテンキャビアに関する研究は、サポニン研究の権威である元京都薬科大学の吉川氏、松田氏らによって行われ、サポニンのmomordin Icが活性本体であり、ラットのグルコース負荷試験で血糖値の上昇を抑制することが報告されている。作用機序は胃から小腸への糖質の移行抑制と小腸粘膜内のグルコーストランスポーターの抑制に基づく。サラシアや桑の葉エキスのようなα-グルコシダーゼ阻害による血糖コントロール素材とは異なり、ブドウ糖や果糖のような単糖の吸収も抑制するという幅広い糖質吸収抑制作用を特徴とする。
オリザ油化ではこの論文に着目し、有効成分momordin Icの含有量を1%以上に規格化した「マウンテンキャビアエキス-P」を開発。社内ボランティアによるグルコース負荷試験を行い、優れた血糖値上昇抑制(遅延)作用を確認した。試験では「マウンテンキャビアエキス-P」200 mgまたは400 mgを摂取した30分後にグルコース50 gを摂取し、血糖値の推移を測定。その結果、「マウンテンキャビアエキス-P」200 mgの摂取により、グルコース摂取30分および60分後の血糖値がプラセボと比較して有意に減少した。400 mgの摂取量では30分および60分後の血糖値変化量と血中濃度曲線下面積で、プラセボと比較して有意な減少が見られた。
今秋には機能性表示食品を目指した「新あいち創造開発補助金」をファンドとする外部臨床試験を予定している。年内に試験が完了し、来春には消費者庁への届出を完了する予定。さらにマウンテンキャビアは脂肪吸収抑制作用もあり、将来的には糖と脂肪の吸収を抑制するダブルヘルスクレームを目指す。