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つるつる食感など精度よく推定できる新しい食感評価法を開発

三栄源エフ・エフ・アイは大阪大学との共同研究により、フィルム式多点圧力センサーと画像解析を組み合わせた新しい食感評価法を開発した。

具体的には、縦44点、横44点の2次元に配置された感圧点をもつセンサーシート上にゲル状食品をおき、垂直方向に圧縮した時のセンサーシートにかかる圧力分布を計測(図1)する。例えば、脱アシル型ジェランガムのような脆く、つるつるとした食感のゲルの場合、破断後から圧力がかかる点の分布が大きく、ばらばらに散らばっている様子が観察される。一方、イオタカラギナンのような伸びやすくもちもちした食感のゲルでは、破断後においても圧力がかかる点の分布はばらばらにならず、ゆっくりと広がっていく(図2)。この圧力分布の時間変化を解析することによって、「つるつる感」、「ざらざら感」、「もちもち感」、「ねっとり感」のようなゲル状食品の表面特性に関する食感を精度よく推定できる(特許6324741号)。

この食感評価法は、嗜好性を追求するデザートなどの加工食品だけでなく、摂食・嚥下のしやすさとの両立が求められる介護食の開発にも活用できる、としている。なお、本研究は、日本食品科学工学会第69回大会(2022年8月24日~26日)において「論文賞」を受賞している。

同社では「食品のおいしさを構成する一要素である食感は多くの属性の集合体であり、食感研究には力学だけでなく、心理学・生理学・統計学などの研究領域が関与している」と考えており、今後も様々な観点から食感研究を進めていく方針。

 

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