南海化学は、和歌山工場で手がけるグルコサミン塩酸塩の供給体制の見直しを図り、かに原料由来のグルコサミン塩酸塩に一本化する。品質維持と安定供給を遂行するために必要な措置と判断した。原材料や包材価格高騰に加え、年々上昇する物流費や人件費、工場操業に関わるエネルギーコストなど負担も大きく、併せて価格改定も実施する。
同社はかねてから、えびかに由来とかに原料由来のグルコサミン塩酸塩を市場展開しており、大口ユーザーへの手当てにも長年実績をもつ中堅グルコサミン塩酸塩メーカー。グルコサミン塩酸塩を取り巻く原料事情やユーティリティコストなど製造環境が年々悪化するなか、業務の合理化や効率化など徹底したコスト削減を行ってきたものの、現状の販売数量では安定的な供給と品質維持が困難と判断、4月1日納入分から30%以上の価格改定を行うとともに、今年半ばを目途に、えびかに由来の製品を終売することとなった。
現在、グルコサミンの販売を担う大阪ケミカル営業部では、事業体制強化を目的に新規事業として和歌山工場の受託精製加工サービスにも注力しており、食品グレードの受託を強化する意向。自社で手がける酢酸ナトリウム(無水)とともに、食品用途領域の幅を広げていく。