ロケット社(フランス)は、地域本社を置くシンガポールに「顧客体験センター(Customer Experience Center)」を新設したと7月に発表した。本センターは、同社が顧客のパートナーとして、アジアの味覚に合う食品イノベーションを深掘りすることを目的に設置された。キッチンスタジオと官能試験ハブで構成され、科学とイノベーションを通じて日常の食体験と価値を高めることを目指している。
本センターは、アジア太平洋イノベーション・センターの一部であり、アジア料理に特化した最先端の施設となる。アジア地域の消費者にアピールするアジア料理において、ロケット社の食材の可能性を紹介できる多目的機能を備えている。様々なアジア料理の機能性、味、香り、見た目を評価できる感覚のハブを有しており、アジア人の味覚に合った新鮮で独特なソリューション開発の支えとなる。
ロケット社アジア太平洋CEOのロヒト・マルカン(Rohit Markan)氏は、「(本センターは)消費者の食習慣に合わせた製品を提供する一方で、革新に向けたロケット社のコミットメントと、市場にサービスを提供するための適切な能力を構築することへの深い理解を示すもうひとつの証しです。さらに、ロケット社の専門知識のグローバル・ネットワークの一部として、この新しいセンターは、植物由来のイノベーションを食品と栄養の分野にもたらすという私たちの実証済みの実績に沿うものです」と話している。
本センターの落成式には、シンガポール経済開発局 副局長のダミアン・チャン(Damian Chan)氏が出席した。チャン氏は「(本センターは)この地域の消費者の嗜好に合わせた製品の共同創造と進歩を可能にすることで、代替タンパク質を含む新規食品技術の成長において、シンガポール企業を含むパートナーを支援するようになります。私たちは、成長する地元の農業食品エコシステムを増強するために、栄養価が高く持続可能な食品ソリューションが増えることを期待しています」と語った。
PwC、ラボバンク、テマセクの2021年の調査(2021 study of PwC, Rabobank and Temasek )によると、アジアは現在、最大の食品消費市場であり、2030年までにさらに5兆9000億シンガポールドル(4兆4000億米ドル)の支出が見込まれている。パンデミックによって何をどこで食べるかが変化し、アジアではより健康的な食事と持続可能な食材の使用が目立つようになった。本センターは、美味しく、革新的で持続可能な食体験の開発において、より強力なアジアの食の物語を築く上で中枢の役割を果たすようになると考えられている。