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「舌での押し潰し」「のど越し」を再現した新食感評価法など開発を加速

三栄源エフ・エフ・アイは、大学などの研究機関とともに食品テクスチャーの新規評価法を確立し、これを応用した加工食品の開発に積極的に取組んでいる。

舌での押し潰しの機械的再現によるテクスチャー評価では、ヒトの舌と硬口蓋(上顎)での押し潰しを機械的に再現する目的で「やわらかい素材」からなる人工舌と一軸圧縮試験機を組み合わせた評価系を開発(図1)。ヒトが舌で押し潰して食べやすい食品のテクスチャー特性を調べることが可能となり、高齢者向けの水分・栄養補給ゼリーや惣菜ゼリーなどの加工食品の開発に活用している。

また、生理計測によるテクスチャー評価では、ヒトが筋肉を動かすときに発生する電気信号を測定する筋電位測定装置と、ヒトの喉に取り付けて嚥下時の音を収録することができる喉マイクを用いた嚥下音測定装置、さらには新潟大学が開発したヒトの上顎や喉に貼りつけることができる薄型の感圧センサーを用いてヒトの摂食・嚥下挙動を解析し、食品や飲料のテクスチャーを評価する方法を確立した(図2)。この評価系を用いることにより「食べやすさ」や「飲み込みやすさ」といった従来数値化しにくかったテクスチャー特性を評価することが可能となり、加工食品や飲料だけでなく、とろみ調整食品の開発に活用している。

このほか、日本語の日常的な食感表現として広く用いられている「ぷるぷる」 「つるん」 「べたっ」などのオノマトペに着目し、ゲル状食品に広く使用できる食感用語系を確立し(既報)、デザート向けのゼリーやプリンだけでなく、高齢者向けの栄養・水分補給食品の食感設計に活用していく意向である。

同社では、本研究領域で2011 年以降、原著および総説あわせて約40 報の論文を投稿しており、「ヒトの摂食メカニズムを考慮した力学測定およびヒト生理計測による食品テクスチャーの評価と加工食品の製品デザイン」をテーマに、日本食品科学工学会第70回記念大会 にて、令和5年度の「技術賞」を受賞している。

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