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DHA・EPA協議会、公開講演会を開催―DHA・EPAに関する研究・話題を紹介、機能性表示食品についても言及

DHA・EPA協議会は、10月26日(木)に「食品として健康に寄与するDHA・EPA」と題した第24回公開講演会を開催した(都内の会場とオンラインのハイブリッド開催)。講演会では3名の演者がDHA・EPAに関する研究・話題を紹介した。

■DHA・EPAによるトランス脂肪酸毒性の抑制作用機構
東北大学 大学院薬学研究科 衛生化学分野 助教 平田祐介氏
トランス脂肪酸が、動脈硬化症などの発症と関連する細胞外ATPによって誘導される細胞死を促進する作用を見出し、その分子スイッチとなるASK1を同定した。また、トランス脂肪酸のうち人工型のみが強力な毒性を持つこと、さらにDHA・EPAなどの高度不飽和脂肪酸が人工型トランス脂肪酸の毒性を低濃度で効果的に軽減し、ASK1活性化増強を抑制することで細胞死を抑制することを明らかにした。DHA・EPAを普段から摂取することでトランス脂肪酸の摂取による疾患発祥の予防・改善に繋がると考えられた。

■脂肪酸・脂質代謝関連物質と心血管疾患の新たな関係
順天堂大学医学部附属浦安病院 循環器内科 准教授 宮﨑哲朗氏
脂肪酸・脂肪酸代謝関連物質と心血管疾患に関する各種知見を紹介。オメガ3には中性脂肪低下作用や血管内皮機能改善作用など動脈硬化抑制作用が知られているが、臨床的な意義は確立されていない。心不全とは心臓のはたらきが悪くなる症状のことで、高齢者の増加により、その割合が増えていくと予想されている。心不全患者の6~7割が低栄養状態であり、高齢で低栄養状態の患者にはオメガ3だけでなくオメガ6も重要であると話した。さらに極長鎖脂肪酸についても紹介した。

■DHA/EPAの健康維持増進への活用:機能性表示食品の役割
大阪大学 大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学 寄附講座 教授 森下竜一氏
現在の高齢者は65歳以上だが、75歳以上を高齢者と定義するという新たな提言を紹介するなど、現在の高齢者に関する状況を解説しながら、健康寿命延伸のための健康医療戦略として始められた機能性表示食品制度について詳しく解説。DHA・EPAは機能性関与成分としても多く、脂肪や認知機能などの訴求も多い。現代の日本では魚食も少なくなってきており、魚からのDHA・EPA摂取量は少なく、DHA・EPA合計1g/日以上の摂取という目標にはどの年代も届いていない。DHA・EPAを効果的に摂取することの必要性を説いた。

DHA・EPA協議会については⇒ https://www.dhaepa.org/index.html
なお、本講演内容は、「食品と開発」2月号(2024年2月1日発行)に掲載予定です。

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