協和発酵バイオが製造・販売するヒトミルクオリゴ糖(以下HMO)の6SL(6’-sialylllacotse sodium salt)が、欧州連合の欧州委員会により新規食品(Novel Food)として承認された。これにより2023年11月13日より、欧州連合加盟27か国で製造・販売する乳児用ミルクや食品に同社の6SLを使用可能になった。
その他、2SL(2’-fucosyllactose)、3SL(3’-sialyllactose sodium salt)の2品についても新規食品の申請を行っており、いずれもEFSAの安全性審査を通過している状況。今後、承認を取得次第、順次上市していく予定。
協和発酵バイオは、2000年に世界で初めて工業レベルでのHMO大量生産システムを構築し、2022年11月にはタイに新設した工場でHMO3品目の商業生産を開始した。今後、新規食品原料の申請が承認された国・地域で、HMOの展開を拡大させていく。
■ヒトミルクオリゴ糖(HMO)とは
母乳に含まれるオリゴ糖の総称。母乳中の固形成分の中では、ラクトース、脂質に次ぐ、三番目に多い成分で、これまでに200種類以上のHMOが母乳から発見されている。牛乳や他の哺乳類由来の乳にはほとんど含まれず、特にヒトの初乳に多く含まれることから、乳幼児の免疫や腸内細菌層の形成に重要な成分であることが知られている。HMO入り粉ミルク市場は欧米での伸長に加え中国・東南アジア地域でも消費拡大が期待されている。