一般社団法人 日本電解水協会主催の第14回電解水セミナーが11月29日(水)都内にて開催された。
同協会は、電解水生成装置(次亜塩素酸水生成装置)の普及促進および、電解水(次亜塩素酸水)の効果的な使用法の周知を図る事を目的に発足。そのための取り組みとして会員による調査・技術交流や関係省庁・諸団体との交渉等を通じて知識・情報の集約・標準化を図り、これにより更なる生成装置および電解水(次亜塩素酸水)の効果的な使用の向上につとめている。電解水セミナーは、同協会の活動ならびに新知見の研究発表の場として毎年開催されている。
第14回電解水セミナーでは、公益財団法人 がん研究会有明病院 薬剤部 清水久範氏により、抗がん薬調製用安全キャビネットにおける次亜塩素酸水を用いた新たな清掃方法の確立を目指した「医療現場(薬剤師作業場)における無菌操作区域の次亜塩素酸水の除菌効果」と題した講演が行われた。
また、同協会農業部会 石渡幸則氏による「農産物の機能性成分増加への期待」と題した講演では、平成27年に特定農薬に指定された次亜塩素酸水が、SDGsに貢献する資材として観光農園や施設園芸農家などでプレゼンスを高めている近況を報告。さらに次亜塩素酸水の利用により農産物にpHや塩(カリウム)ストレスをかけることで、GABA・ポリフェノールなど機能性成分の増加に関与した事例や今後の可能性についても言及がなされ、殺菌料以外の次亜塩素酸水の利活用研究も活発化していることが報告された。
その他、同協会電解次亜水部会 今関基博氏は、大量生成可能な次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものと同等として使用可能な「電解次亜水の活用事例」として千切りキャベツやふきんなどの殺菌事例を紹介。同協会アルカリ性電解水委員会 松澤竜輔氏は、「HACCPにおける強アルカリ電解水の活用について」と題し、洗剤や苛性ソーダに代わる新たな電解水の活用方法を紹介。同協会飲用電解水部会 田中賢治氏は、「飲用電解水に関する最新研究と技術応用」と題し、「胃腸症状の改善」効果を認められたアルカリイオン水をはじめとする各種飲用電解水について、製法や特性の違いのほか腸内環境への影響に関する最新研究成果を紹介した。