長瀬産業は、グループのバイオの基盤研究の拠点であるナガセバイオイノベーションセンター(NBIC)と、林原の基盤研究機能を統合し、新たな組織の拠点として新研究所を建設することを決定した。新研究所は神戸市ポートアイランドの神戸医療産業都市内に建設し、2027年4月以降の開設を予定している。
NBICと林原の基盤研究機能の統合は、互いの強みを掛け合わせることで新素材を創出する力を最大限に高め、新たな価値を提供していくことを目的としたもの。テーマ探索に始まり、菌株の育種・改良方法等の検討、物性や機能性の初期評価、小規模の生産スケールアップなどに取り組み、世の中のニーズに沿った新素材や新技術の実用化を目指す。また、パートナー企業と積極的に連携することも検討しており、社内外を問わずバイオ技術の研究開発を推進していく。
・NBICの強み
微生物を利用した「バイオものづくり」分野での先端技術と独自の放線菌技術プラットフォームを保有。2020年には、独自のスマートセル技術を開発し、希少なアミノ酸「エルゴチオネイン」の量産化に成功し、2024年度の上市を目指している。
・林原・基盤研究部の強み
微生物・酵素を様々な原料と掛け合わせ、トレハロースに代表されるような機能性糖質を開発・量産化する技術を有する。新規酵素の探索技術およびそれら酵素を用いた酵素反応による物質変換技術を強みとし、機能性糖質の大量生産を可能にするなど、グループのバイオ関連事業の中核としてサステナブルな素材の開発・提供を続けている。