築野グループは、米糠から抽出した「イノシトール」「フィチン酸」を一定の比率で配合することにより、効果的に育毛を促進するとの研究成果を発表した。米ぬか由来のイノシトールとフィチン酸は水溶性成分であり、エタノールフリーローションなどの剤形にも配合可能、としている。
本研究では、毛髪の育成を制御する毛乳頭細胞がイノシトールやフィチン酸を添加することで増殖すること、また培養毛乳頭細胞を用いた試験では、イノシトールおよびフィチン酸には毛根部の血流をすることで育毛を促進する因子であるVEGFの遺伝子発現を増加させる効果があることが判明。この効果はイノシトールとフィチン酸を1:3の重量比で混合することにより相乗的に増強されることが示された。
またヒトボランティア試験では、イノシトール/フィチン酸 (1:3)混合配合ローションとプラセボローションを頭皮にそれぞれ18週間塗布したところ、イノシトール/フィチン酸混合配合ローションを塗布した群において、毛髪本数が有意に増加し、育毛効果が示された、としている。
なおこの研究成果は、学術誌「Biomedical Journal of Scientific & Technical Research」に掲載されている。