森永製菓は、独自素材である「パセノール™」の研究において、パセノール™がヒト試験でサーチュイン遺伝子の発現を増加させることを世界で初めて確認し、5月9日にその研究成果を発表する「パセノール™研究成果および新プロジェクト発表会」を開催した。 (以下、発表会の要約)
【第一部】
■森永製菓 代表取締役社長 太田栄二郎氏の挨拶
2019年に120周年を迎えた同社は、未来に向けた存在意義を考え、2030年に「ウェルネスカンパニーに生まれ変わります」と新たな企業理念を掲げた。心の健康、体の健康、環境の健康という3つの価値を提供しながら、あらゆる世代のウェルネスライフをサポートしていく。
さらに、パセノール™をパートナー企業にも積極的に使ってもらい、様々な企業と共に発展させていき、ウェルネスライフの実現を目指したい、という意向を語った。
■札幌医科大学 教授 久野篤史氏がサーチュイン遺伝子について解説
サーチュインは長寿遺伝子とも呼ばれ、細胞の番人として働くと考えている。サーチュインは、エネルギー不足やカロリー制限をした際に活性化する。その働きは、傷ついたDNAの修復、オートファジー活性化、酸化ストレスの軽減、ミトコンドリアの機能や数の維持、エネルギーの維持など多岐にわたる。
ヒトでは7種類のサーチュイン(Sirt1~Sirt7)があり、その中でも一番研究が進んでいるのがSirt1。Sirt1を活性化する物質として、レスベラトロールやピセアタンノールが知られている。レスベラトロールによるマウスの試験では、加齢に伴う運動能の低下を軽減、心筋細胞の肥大の軽減、皮膚が薄くなる(バリア機能低下、床ずれ、シワ)ことを軽減するという結果が、ヒト試験では筋ジストロフィー患者の筋力回復という結果が出ている。レスベラトロールと構造が似ているピセアタンノールにもSirt1を活性化する機能が考えられる。
■森永製菓 パセノール™プロジェクトリーダー 松井悠子氏による研究結果の発表
パセノール™は、パッションフルーツの種子から抽出した独自素材。種子にピセアタンノールを含有していることを発見し、種子からピセアタンノールを抽出して製品化された。パセノール™の研究は2006年に開始してから18年に及び、その間の研究成果は、査読論文34件、学会発表60件以上にもなる。
今回行われたヒト試験は、世界で初めてパセノール™がヒトでサーチュイン遺伝子の発現を増加させたことを明らかにした試験である。健常成人20代~60代で実施され、解析対象者281名において、パセノール™摂取群はプラセボ群に比べ、摂取1週間後にサーチュイン遺伝子の発現が有意に増加するという結果を得た。BMIが30以上の者も、60代の者も有意な増加がみられていた。また、男女別でみたところ、BMIが20以上25未満の標準体型の女性でパセノール™の摂取1週間後で遺伝子発現の有意な増加がみられた。さらに閉経後女性においても顕著な増加がみられたことから、女性ホルモン様作用の可能性も示唆された。
【第二部】では、パセノール™のナビゲーターとして櫻井翔氏が登場。「パッションフルーツにこのようないい影響があることを知らなくて驚いた」と感想を述べた。柔道・髙藤直寿選手や空手・清水希容選手らアスリートとの対談では各選手がパセノール™の使用体験を語った。続いてパセノール™の活用に賛同するパートナー企業との対談が行われ、コーセー 常務取締役 澁澤宏一氏、プログリット 代表取締役社長 岡田祥吾氏、Life Extention社 副社長 Glenn MacEachern氏が、パセノール™の利用意欲を語った。