花王は、海外で伸長する菓子・スイーツ市場を視野に入れ、洋菓子や菓子類のロングライフ化に役立つ起泡性乳化製剤「マリッシュAL(オール)」をはじめ、国内でも定評のある洋菓子用乳化油脂の提案強化に乗り出す。温和な風味と優れた安定性に評価が高く、海外進出を検討する顧客にも国内向けと同じ乳化剤製品を提案できるのが同社の強み。スイーツ流行の発信元である韓国市場を通じて海外主要国へ市場開拓する取組みを進めており、韓国現地の展示会に共同出展するなど、現地菓子ブランドメーカーへの普及拡大を図っている。
「マリッシュAL」は、国内外の菓子メーカーの様々な製造環境に対応した起泡性乳化製剤。独自の製剤化技術により優れた起泡力と安定性、口どけの良さを有し、水分の少ないパウンドケーキなどの生地にやわらかさやしっとり感を付与するほか、パサつきを抑えて口どけがよくなる等の効果をもたらす。卵を使わないプラントベースの原材料やカロリーオフ、低糖質などに関わる原料を使用する場合でも菓子品質を低下させない。動物性原料フリーで、全て主要国で認可されている添加物のみを使用しており、40℃で1年間品質が維持されるため、機能性がありながらも輸出に適応した製品設計となっている。海外では韓国、インド、香港、シンガポールなどで展開を強化しており、国内では菓子・ケーキ類の口どけ感やバラけ感に評価が高く、採用実績も増えている。
海外志向の強い韓国の菓子メーカーをターゲットに、岡畑興産の子会社OKAHATA KOREAとともに共同出展した「ソウルフード2024」では、「マリッシュAL」とともに、起泡膜の制御により口どけの良いスポンジを作ることができる「タンバリン」、生地の泡沫安定性に優れ、スポンジの品質安定生産に貢献するケーキ用起泡性油脂「マリッシュゴールド」などを展示。韓国市場ではシュガーフリーの菓子類の人気が高いこともあり、展示ブースには主要な菓子顧客が訪れ、大いに興味をもってもらったという。