オーストラリアの先住民アボリジナルが食してきたカカドゥプラムとザクロの果汁が、発癌制御遺伝子(RB)の活性化能に加え、強い抗酸化作用と抗炎症作用を有することが、京都府立医大学創薬センターの酒井敏行教授らの研究で明らかとなり、希少果実でもあるカカドゥプラムの機能性に着目した商品化が話題となっている。
カカドゥプラムは、アボリジニ生活圏を中心としたオーストラリア北部に自生している希少なスーパーフルーツ。緑色の果実中にビタミンCを約3,000mg/100g含有するほか、エラグ酸、没食子、カテキンなど多種類のポリフェノールを含んでおり、ポリフェノール含量はブルーベリーの約4.7倍、エラグ酸はイチゴの約129倍に達する。日本ではカカドゥ果肉100%の乾燥果実を国内でパウダー化した「カカドゥプラムT100」が東洋酵素化学より販売されている。ドライパウダーのビタミンC含量は15,000mg~23,000mg/100gと高含量にもかかわらず、酸味が独得の果実。加工適性が高く、大手化粧品メーカーのゼリー状食品など美容・美白向けでの採用を皮切りに、米国では、カカドゥプラムの抽出物を使用したスキンケア製品が発売されることが話題となっており、問い合わせも増えている。
新機軸となるスーパーヘルシードリンクは、RB遺伝子の活性化に関わる研究や分子標的薬呼ばれる画期的な抗がん治療薬「トラメチニブ」の開発に携わってきた京都府立医科大学創薬センターの監修のもとで商品化されており、カカドゥプラムのほか、ザクロ、リンゴ、植物性乳酸菌、フィチン酸、イノシトールを加えた理想的な健康飲料として、総合食品卸大手の加藤産業から9月に発売される。