吉野家ホールディングスは28日、オーストリッチ(ダチョウ)に関する新規事業を開始すると発表した。100%子会社のSPEEDIAを通じて、オーストリッチの飼育から研究、商品開発、販売までを一貫して手掛ける。
同社は近年、経営理念の「For The People~すべては人々のために~」を掲げ、人口増加や気候変動、食糧問題などの課題に直面する中、持続可能な食の選択肢を模索してきた。その結果、オーストリッチに着目。2017年から本格的な研究を進め、美容と健康の両面で新たな可能性を見出したという。
SPEEDIAの研究によると、オーストリッチオイルには美容成分の肌への浸透を促進する効果があり、特にナイアシンアミドの浸透効果が23倍に高まることが判明。この知見を活かし、同社は「グラマラスブースターオイル」「グラマラスエイジングクリーム」などのスキンケア商品の本格販売を開始する。
一方、オーストリッチミートは高タンパクで低脂肪、低カロリーであり、かつ鉄分も豊富。さらに、疲労回復や血管老化防止に効果があるとされる成分も多く含まれているという。
これを受けて吉野家は、牛・豚・鶏に続く”第4の肉”として「クッキング&コンフォート」スタイルの全国約400店舗で「オーストリッチ丼~スープ添え~」の販売を28日より開始。オーストリッチのモモ肉とヒレ肉をローストビーフ風に仕立て、特製ソースと共に提供する。販売数は約6万食の限定となる。
吉野家HD河村泰貴社長は「オーストリッチ事業を通じて、食・健康・美容の面で新たな価値を提供していきたい」とコメント。今後は吉野家でのメニュー展開やオンライン販売の拡大、さらにはオーストリッチ関連製品の卸売りなど、事業の多角化を進める方針だ。