ダイセルではホップに含まれるポリフェノール・キサントフモールの腸内代謝物である 8-プレニルナリンゲニン(8PN)を規格成分とした「アストロホップ®︎」を10月23~25日の食品開発展でお披露目する。8PNの研究は欧州で先行して行われており、筋萎縮抑制、更年期障害改善、抗肥満、抗インフルエンザ、骨粗鬆症改善、抗炎症、脂質代謝改善、高糖尿病、エストロゲン活性など多くの報告がある。同社ではこれまでにもイソフラボンの腸内代謝物であるエクオール、ザクロに含まれるエラグ酸の腸内代謝物であるウロリチンなどを上市しており、8PNも腸内代謝物の研究から有望な素材として開発に至ったという。
多くの機能性の報告がある中で同社が独自に臨床試験を進めているのが、筋萎縮抑制、アミノ酸取込促進作用、抗肥満作用についてだ。中でも筋萎縮抑制についての試験は早くから進められており、2025年度中には機能性表示食品の申請にまで持って行きたいとする。
8PNはタンパク質、アミノ酸など現在ある筋肉維持成分と異なり運動を併用しなくても筋肉の分解が抑制され、筋肉の萎縮を防げることが期待できるということが最大の特徴だ。高齢で寝付いている場合や怪我をしている場合には、運動をすることは不可能だが、8PNは運動せずとも筋萎縮が防げる。8PNは筋タンパク質分解指標であるAtrogin-1の発現を抑制し、骨格筋へのアミノ酸の取込を高めることで筋萎縮を抑えると推測されている。
アストロホップの利用分野としてまずは筋萎縮抑制機能を活かした、アスリート向け、運動愛好家、高齢者向け、ダイエット中の女性向けの処方提案が行われている。通常の筋肉量を増やすプロテインとは差別化を図ることができ、運動との併用が不要で筋肉分解を抑えられることから新しいジャンルの筋肉素材として注目される。