奥野製薬工業は、紙製の食器や食品用の紙ケース、段ボール向けの除菌・ウイルス除去コーティング剤「TOP NOBAC LB」を開発した。除菌・ウイルス除去に効果のあるε-ポリリシンとタンパク質分解酵素プロテアーゼで構成された食品原料100%の液体製品で、アルコールが効きにくいノンエンベロープウイルスの除去に効果を発揮し、塗布・乾燥後も除菌・ウイルス除去効果が長期間持続する。
成分中に含まれるε-ポリリシンは必須アミノ酸の1つであるL-リジンのホモポリマーであり、発酵法で作られる天然物系の素材。カチオン性の性質を示し、微生物に静電的にとりつきその細胞膜に損傷を与えることで微生物の増殖を抑制する。幅広いpH領域で、広範囲の微生物に対し少量で効果を発揮する。また酵素プロテアーゼはノンエンベロープウイルスの強固なタンパク質外殻を損傷し、ウイルスを除去すると考えている。「TOP NOBAC LB」2%溶液では15秒で抗ウイルス活性値が2.0以上あることを確認している。
ロールコーターなどでパルプ紙・インクジェット紙・合成紙の表面に塗布することで、抗菌・ウイルス除去紙の作成が可能であり、コーターで紙にコーティングした試作モデルでは99%以上の除菌・ウイルス除去を確認している。飲食店やキッチンカー、アウトドアで活躍する紙器のほか、直接手に触れる名刺や画用紙に適したコーティング剤として幅広く紹介していく。