一般社団法人 日本電解水協会主催の第15回電解水セミナーが11月21日(木)都内にて開催された。
同協会は、電解水生成装置(次亜塩素酸水生成装置)の普及促進および、電解水(次亜塩素酸水)の効果的な使用法の周知を図る事を目的に発足。そのための取り組みとして会員による調査・技術交流や関係省庁・諸団体との交渉等を通じて知識・情報の集約・標準化を図り、これにより更なる生成装置および電解水(次亜塩素酸水)の効果的な使用の向上につとめている。電解水セミナーは、同協会の活動ならびに新知見の研究発表の場として毎年開催されている。
第15回電解水セミナーでは、帯広畜産大学 グローバルアグロメディシン研究センター武田 洋平 氏により、近年拡大・蔓延し養鶏産業に甚大な被害を及ぼし続けている「H5亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスに対する電解水のウイルス不活化活性の評価研究」が発表された。
また、株式会社コスモテクノ 両角 久 氏からは、2020年の新型コロナウイルス禍にて喫緊の課題となったアルコール代替消毒方法の有効性評価の検討が発端となり進められてきた「空間浄化ガイドライン策定までの道程―次亜塩素酸水(電解水)を用いた空間浄化に関する指針-(第一版 安全性情報編)」と題して解説がなされた。
パナソニック株式会社 尾形 雄司 氏からは、独自開発の2流体ミストノズルから噴霧される直径6μmの微粒子“シルキーファインミスト”の開発・利活用研究を「極微細ミスト技術を用いた微酸性電解水の除菌用途への取組み」と題し発表。
さらに一般社団法人日本電解水協会 代表理事・会長 石渡 幸則 氏からは「有機農産物の市場動向と電解水への期待」と題し、2024年7月1日に有機加工品の日本農林規格の一部が改正され、有機JASの特定農薬として使用可能な電解次亜塩素酸水について、ここに至る経緯と今後の利用促進・推進、さらに殺菌料のみならず「鮮度維持」効果への期待と留意点についても発表がなされた。