丸善製薬では、抗肥満、血糖値、コレステロールに対応した機能が調べられているHMPAについて、3月4日が「HMPAの日」として記念日登録されたことを発表した。2月21日に行われた記念日登録証授与式では、登録証授与に加え、HMPAの開発苦労話や将来展望が披露された。
同社研究開発本部 本部長 桒原浩誠氏の挨拶では「この記念日登録はHMPAの研究が認められた証だと考えており、3月4日がHMPAの効果と可能性を伝える機会となればと思っている」と語った。
同社研究員 阿波氏による開発秘話(要約)
研究当初は培養方法も精製方法も定まっておらず、手探り状態で開発を進めていたが、令和元年度戦略的基盤技術高度化支援事業採択に採択されたことが成功のカギとなった。同社と秋田今野商店、岡山理科大学などとの共同研究において試作を進め、培養時間の短縮や安定的な量産化方法を確立することができた。
同社研究員 栢木氏による将来展望(要約)
今後の計画として、弘前OCIに参画し、大規模観察研究に取り組んでいくことを考えている。弘前大学医学部と共同で、ビッグデータから食事が健康に与える影響について検証していく。
その後、(一社)日本記念日協会 代表理事 加瀬清志氏から、丸善製薬 代表取締役社長 日暮泰広氏に登録証が授与された。
加瀬氏は、「記念日は既に2900件の登録があり、そのうち健康についての記念日は354件あり、8件に1件が健康関連になっている。今の人は健康への関心が強く、記念日として多くの人に知ってもらいたい」と述べた。
また、日暮氏は、「HMPA原料は無味無臭で味に影響せず、透明に溶解するという使いやすさが特徴。いろいろな形で配合製品が増えることを期待している。これからも美と健康に関する情報を発信していきたい」と抱負が語られた。
なお、来年は3月4日の周辺日程で、HMPAに関する学術集会の開催も検討されている。
※HMPAとは
3-(4-Hydroxy-3-Methoxyphenyl)Propionic Acid の略称
ポリフェノールの効果を発揮する活性本体の一つとされている成分。腸内細菌叢は個人差があり、ポリフェノールをコアポリフェノール(HMPA)に変換できない人がいるが、HMPAを直接摂取することで、腸内環境を問わずに効果が期待できる。
丸善製薬では、HMPAを規格化した米ぬか由来食品原料「アクティボディ®RB」を販売している。
※「アクティボディ」は丸善製薬株式会社の登録商標です。