消費者庁は3月18日、第5回食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会を開催した。これまでの検討会では、食品関連事業者等が「食品ロス削減」と「食品安全性の確保」という2つの観点から消費期限または賞味期限を設定できるような改正ガイドライン策定に向けて協議されてきた。
今回は、令和7年2月7日から3月10日までに募集したガイドライン改正案に対して集まったパブリックコメント等に基づき、最終的に見直すべき点について確認が行われた。
例えば、改正ガイドラインでは、食品ロス削減の観点から「食品係数は1に近づけることが望ましい」という方針を示しているが、レトルトパウチ食品など微生物の増殖が想定されにくい食品については例外的に安全係数を考慮する必要はない、としている。この部分の記述について、パブリックコメントでは、「レトルトパウチ食品等は品質劣化について考える必要がないように見える」との指摘があったため、ガイドライン内で「微生物の増殖の観点であれば」~「安全係数を考慮する必要はないと考える」と加筆修正がなされた。同じ項目について、委員からも、微生物の増殖が抑えられる食品の例として、レトルトパウチ食品の他に「塩分が著しく高い又は水分活性が低い食品」が挙げられているが、これらについてテレビ番組等のメディアで実際に誤解を生むような解釈・発信がされていたことから、該当部分の例示の記載は削除し、「等」にまとめるべきだという意見が挙がった。消費者庁は、この部分についても修正を行う予定だとした。
また、賞味期限の年月表示については、「〇年〇月頃」という表示をしてしまうと、いつまでおいしく食べることができるのかがわかりづらいため「頃」という文字を表示例から削除すべき、という意見や、「開封後要冷蔵」の商品など、開封後に保存方法が変わる食品については、その旨をわかりやすく表示するよう努めるという旨をQ&A内に記載すべき、などという意見が挙げられ、これらの点についても改正する方向でまとまった。
検討会は今回で終了し、これまでに出た修正点などを踏まえ、今年度中には消費者庁から改正ガイドライン案が公表される予定。