飛騨市はこのほど、2019年度予算主要事業の概要をまとめた。昨年、アルプス薬品工業㈱(岐阜県飛騨市、0577-73-2 0 2 1 )をはじめ、市内の農家・商工団体・製造小売事業者らとともに創設した「飛騨えごまの里推進プロジェクト」を拡充する。
同プロジェクトは、飛騨地域産えごまの消費拡大と市民の健康増進につなげる農商工連携の取組み。飛騨市では、2016年度より新品種『飛系アルプス1 号』の生産拡大に注力。2018年度に『飛騨えごまの里推進協議会』を立ち上げ、良質なえごまを販売するための選別機を導入した。2019年度は、選別機によって新たに活用が見込める残渣について、商店の新商品開発や、飲食店および宿泊施設での常設メニュー化、食育事業、海外展開などを視野に取り組む。
えごまは飛騨地方で“あぶらえ”と呼ばれて親しまれ、代々各農家で風味の良い「黒褐色系」えごまが受け継がれてきた。標高の高い地域で栽培されたものほど、αリノレン酸を豊富に含有。また、抗アレルギー・抗炎症作用を有するルテオリンなども飛騨地方で収穫されたえごまに、特に多く含まれている。
アルプス薬品工業㈱は、農水省の委託事業「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」を受け、岐阜県中山間農業研究所との3 年間の共同研究を経て、日本で初めてのえごま品種『飛系アルプス1 号』を開発。13年2 月に、岐阜県・飛騨市・アルプス薬品工業の3 社でルテオリン等を多く含む品種として登録。溶媒を一切使用せず、伝統的な圧搾抽出法を採用し、医薬品企業として品質管理を徹底して製造しており、すでに、「飛騨えごま油ソフトカプセル」「飛騨えごま油」を商品化している。「飲食店での商品採用は増加。10月には全国薬草シンポジウム2019in飛騨の開催も予定されている」(飛騨市役所総合政策課)という。
本記事は「健康産業新聞 1664号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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