活力サポート、排尿トラブルなど、男性の悩みに着目した商品が注目を集めている。活力系商材は、男性機能の向上や精力アップに加え、“元気の源”“スタミナアップ”としての利用が浸透。ドラッグストアやコンビニエンスストアでは定番アイテムに。認知度の高いマカをはじめ、カンカ、トンカットアリ、豚睾丸エキス、スッポン、オットセイなど、個性ある動植物性由来の健食素材が利用されている。最近は妊活目的で利用する男性も増えている。店販ルートでは、体感性を求める傾向が強いことからドリンクが人気だ。排尿トラブル対応商材は、超高齢社会を背景に有望マーケットとしての期待が高い。代表格のノコギリヤシは、機能性表示食品にチャレンジする事業者もみられる。機能性研究が進むなか、シークヮーサーなどのニューフェイス素材も登場している。
■活力系、ブームに左右されない商材妊活目的の利用者も
活力系商材は、健康食品の1 つのカテゴリーとして定着している。本紙が健康食品・受託製造事業者を対象に実施している定期調査の「受注・件数が伸びている商品カテゴリー」で、過去3 年をみると5位、6 位、5 位にランクイン。「美容・美肌」「ダイエット」「スポーツニュートリション」「ロコモ対策」などに続いて上位に顔を並べる。液体ゼリーの受託加工を手掛けるVIVIDは、「飲みきりタイプとして活力系は受注量が安定している」と話す。
総合ディスカウントストアやドラッグストアでは、ドリンク、サプリメント、ゼリーを陳列した専用コーナーを設ける店舗も目立つ。店販ルートではドリンクが人気。500円以下の低価格品から3,000円前後まで製品価格の幅は広い。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、「マカの元気」シリーズをドラッグストア、コンビニエンスストアなどで展開。「今年上半期の飲料全体は苦戦しているが、『マカの元気ドリンク』は堅調に推移している」という。『マカ皇帝倫液』を販売するメタボリックもドリンク類の今年上期出荷量は前年比を超えた。「凄十」シリーズを展開する宝仙堂は、コンビニエンスストアで高いシェアを誇る。ドリンクの売上は前年比を超え好調を維持。
また、グミタイプを3 種類に拡充するなど、新たな顧客獲得に向けた取り組みも行っている。販社からは「体感性に加え、安全性も購入基準において重要になっている」「“疲労回復”“ 1日の活力・元気”のために購入する人が増えている」「ワンランク上のエナジードリンクとして、購入年齢層が広がっている」などの声が聞かれた。新商品では、アンファーが5 月から「スタンドアップ」(ドリンク・サプリメント)シリーズの販売を開始した。また、最近は、“妊活”目的で利用する男性も増えている。セクシャルウェルネス事業を推進するTENGAヘルスケアでは、男性の妊活向けに『精育支援サプリメント』を自社ECサイト中心に展開。「男性のみならず、パートナー用に女性が購入するケースも少なくない」という。
活力系商材に用いられている機能性成分は、認知度が高いマカをはじめ、トンカットアリ、カンカ、ニクジュヨウ、高麗人参、ムイラプアマ、コロハ種子、ニンニク、L-シトルリン、L-アルニギン、亜鉛などが流通。新素材では、三菱ケミカルフーズがオリーブ葉抽出物に男性機能の改善作用があることを確認。オリーブの新たな切り口として提案を進めている。スッポン、マムシ、ハブ、豚睾丸、馬心筋、カキ、オットセイ、イミダゾールといった動物性素材も根強い人気がある。オットセイに含まれる有用成分を用いた医薬品や、健康食品などの製造・販売を手掛けるヴィタリス製薬は、大手精力剤専門店の販売実績をもとに、ドラッグストアにも採用され、販売チャネルが広がっている。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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